太鼓台の
装飾についてDesign
金糸銀糸で彩られた飾り幕
飾り幕は上から順に、
布団締め・上幕(水引幕)・高欄幕(下幕)に
分かれており太鼓台全体を金糸銀糸で豪華絢爛に彩り、
精巧な刺繍で龍や歴史的な物語などを描くことで
太鼓台の芸術性を高めています。
龍が映す太鼓台の威厳布団締め
布団屋根の四面には、対になった龍の刺繍が8枚施されており、同じ意匠の二龍が四組揃っています。いずれも立ち姿の龍で、その呼び名にはいくつかの説があります。
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阿龍・吽龍説
龍の口形で区別するもので、向かって左側が阿龍、右側を吽龍としているもので、神社の狛犬や寺院の仁王像にみられる二元論に立脚しています。
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雄龍・雌龍説
左側の龍が玉(如意宝珠)を護持し、右側の龍が剣を保持することを拠所とします。向かって左側が雌龍、右側が雄龍です。
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昇龍・降龍説
どちらの龍を昇・降龍とするかの定説はありませんが、縫師の間では、向かって左側を昇龍・右側を降龍としています。
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降雨神説
龍は昇天して龍神となり、農業に必須である降雨をもたらすという龍神信仰、龍神雨乞信仰によるものとされています。
太鼓台を包む華やかな二つの幕上幕(水引幕)
・高欄幕(下幕)
太鼓台の四本柱の四面上部には上幕、下部(高欄部)には高欄幕、合計8枚の垂幕が掛かっています。幕は金糸による立体刺繍が縫い施されており、新居浜地方の幕は伝承によると四方神具の現れとも、大漁豊漁を祈願する漁業や海洋に関する意があるともいわれています。
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禽獣の幕※四神思想説
幕に描かれる禽獣は華やかな競い合いの象徴とされますが、本来は神の化身とされ四神思想にも通じます。四方を司る青龍・朱雀・白虎・玄武の観念と結びつき、現在の主題は龍・飛龍・鷲・鷹・唐獅子・鯉・猿・猫・虎の九種です。
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御殿の幕
幕のある御殿の形式は神社建築、霊廟建築、寺院建築、城郭建築、中国風宮殿建築など様々な様式を混合しています。
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武者絵の幕
文学的に武者絵の幕は、中国神話、中国伝説、中国物語、日本神話、日本伝説、日本史話、謡曲、浄瑠璃、歌舞伎などに題材を求め、庶民に親しまれ好まれた題材を採用しています。
各部位の説明
※太鼓台によって詳細な情報は異なります
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❶天幕(てんまく)
太鼓台の最上部、屋根を覆う紅白がベースの布。宇宙を示し、紅白は太陽の輝きを示すといわれています。
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❷くくり
太鼓台の四隅を装飾する「四本柱」の上部で布を束ねる部分。ねじり鉢巻き状の布が用いられ、太鼓台全体のバランスと華やかさを強調する装飾的な役割を担ており、雲を示すといわれています。
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❸結び(むすび)
房や飾り幕を固定するために使用される大きな結び目です。特に房の根元などに見られ、装飾性と固定を兼ね、太鼓台の勇壮さを引き立てています。
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❹房(ふさ)
太鼓台の四隅から長く垂れ下がる大きな飾り紐です。太鼓台の動きに合わせて激しく揺れ、祭りの躍動感と活気を視覚的に表現しており、雨を示すといわれます。
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❺太鼓(たいこ)
太鼓台の内部に据え付けられ、祭りのリズムを刻む和太鼓。太鼓係が叩き、かき夫の動作や観客の熱狂を導く、太鼓台の「心臓」となる最も重要な要素。
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❻横棒(よこぼう)
太鼓台本体の四隅から垂直に伸びる四本柱を固定する横方向の短い棒。主に装飾を施すための構造的な役割を担う。
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❼かき棒
太鼓台を担ぎ上げるための太く長い四本の担ぎ棒。約12mにも及び、約150人のかき夫が肩を入れ、太鼓台の運行、差し上げ、かき比べを物理的に可能にする。
数字で見る
新居浜太鼓台太鼓台によって詳細な情報は異なります
1台あたりの担ぎ手
1台の太鼓台を担ぐのは約150人。
息を合わせ、「そーりゃ!」の
掛け声とともに担ぎ上げます。
太鼓台の重さ
太鼓台の重さは最大3トンにも。
力と技がぶつかり合う
「かきくらべ」はまさに壮観。
太鼓台の高さ
太鼓台の高さはおよそ5.5メートル。
夜空に浮かぶ提灯の列は、
幻想的な光景を描きます。
太鼓台の長さ
太鼓台の長さはおよそ11メートル。
間近で見ると、その大きさと
存在感に息を呑みます。
指揮者数
太鼓台の動きを導く4人の指揮者。
的確な合図が全体の息を合わせ、
迫力ある練りを生み出します。













